フューズド型光ファイバカプラの波長依存性

2021年 02月08日

  • 研究・技術
  • 製品・事例
  • ファイバ部品

光ファイバカプラは最もポピュラーな光ファイバ部品の一つです.光ファイバカプラの機能は,簡単に言えば,「入力光の光強度を,あらかじめ設定された比率で2つ以上の光ファイバに振り分ける」というものです.光ファイバカプラは,大きくフィルタ型と溶融延伸型(フューズド型)に分けることができます.ここでは,フューズド型について記載します.

Fused coupler

フューズド型光ファイバカプラの波長依存性

上図は,分岐比 40/60 のフューズド型光ファイバカプラの特性を示しています(さらに詳しく言えば,偏波保持ファイバを用いた 2x2 カプラ).1つのポートから入力した光が,2つのポートに分かれるのですが,その際の分岐比を,透過率という形で示しています.1060 nm で40対60 の比率のモノをメーカーにオーダーしたので,1060 nm 付近での比率が 40/60 になっていますが,波長依存性が大きく,その他の波長では異なる分岐比を示します.このようにフューズド型ファイバカプラは,比較的大きな波長依存性を示します.広帯域光源の応用に適した,波長依存性が小さなフューズド型ファイバカプラもありますが,高価です.波長依存性が小さく,安価なファイバカプラが必要であれば,フィルタ型ファイバカプラが適しています.

フューズド型ファイバカプラの良い点は,やはり耐光パワーが高いところです.フィルタ型ファイバカプラの場合は,耐光パワーがせいぜい 300 mW ですが,フューズド型ファイバカプラの場合は,5 W 程度までの光パワーに対応します(コネクタを使いたい場合は,コネクタの破壊閾値のせいで耐光パワーが 300 ~ 500 mW となります).



Author - Masanori Nishiura
PAGETOP