平均出力安定性の評価

2021年 02月19日

  • 研究・技術
  • レーザー

レーザーの平均出力の長時間の安定性評価は,光パワーメータの機能で測定できます.私は,Thorlab社のパワーメーターを使っていますので,レーザー出力の時間依存をSDカードに保存することができます.測定後,PCでSDカードのデータを読み込み,下図のようなグラフで示すと,レーザーの出力の時系列が分かります.

モード同期レーザー5種の出力安定性

モード同期レーザー5種の出力安定性; PD型パワーメータで測定

 

不安定なモード同期レーザーの出力安定性

不安定な状態のモード同期レーザーの出力安定性; PD型パワーメータで測定

 

976 nm LDの出力安定性

976 nm LDの出力安定性; 熱型パワーメータで測定

 

また,論文ではよく出力安定性を RMS xxx  (%) @ 8 hours などで示しています.私は,勉強不足でこの計算が良く分からないので,私はパワーメーターの表示を参考に使っています.下の写真は,976 nm LD の出力を 24時間モニタリングした例です.Std Deviation : 284.6 uW,Mean Values 744.0 mW とありますとあります. この場合,安定性 0.04 % @ 24 hours としています.この時は,出力が出続けていることを確認したかっただけなので,熱型パワーメーターのウォーミングアップをしておらず,開始直後の測定結果が少し低くなっています(パワーメーターが温まりきらない間に測定を開始した).

 

 

安定性の測定結果は,PD型か熱型のどちらで測定するか,パワーメーターのレンジのどの範囲で測定するか(レンジの下方ギリギリだと値のふらつき大きい)などで決まりますので,測定するときは注意が必要です(測定器に使った機器一式のS/N,校正日,測定日など詳細を記録する一般的な研究者・エンジニアにとっては普通のことなので大丈夫ですが).

これまで,8~72時間の安定性を測定したことがあります.5日間の測定において,SDカードにデータを記録する段階でエラーが出たことが何回かあり,それからは72時間までの測定にとどめています.ちなみに,SDカードを使わず,PCと直に繋げてもいいです.

 

Author - Masanori Nishiura

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