中出力PMアイソレータの波長特性

2021年 03月03日

  • 研究・技術
  • ファイバレーザ

私が開発しているシステムは偏波保持ファイバ(PM)構成がほとんどなのですが,その場合,PMアイソレータを使用します.PMアイソレータは,鉛筆くらいの円筒形の小型パッケージの小出力タイプ(光耐出力 < 50 mW程度),親指くらいの大きさの中出力タイプ(~ 300 mW),大きめのスマホくらいの大きさの高出力タイプ(~数10 W)があります.もっと分類すると,パルス用とCW用に分けられます.今回は,中出力タイプの波長特性を測定してみた結果をここで紹介します.

中出力アイソレータ

中出力アイソレータ

 

写真にある1040 nm に最適化した中出力PMアイソレータ(シングルステージ)の波長依存性を測定した結果を下記に示します.小型パッケージの小出力タイプの波長依存性と大きく異なっていることが分かります.波長1040 nm でアイソレーションが最大となっています.短波長側では順方向の透過率が急激に落ち込んでいます.逆方向のアイソレーションも同様に大きくなっており,ファイバ再結合に由来するロスだと思われます.長波長になるほど透過率は大きくなりますが,透過率とアイソレーション間の差が最も大きいのが 1040 nm なので,やはり 1040 nm に最適化されているといえるでしょう.

 

中出力アイソレータの波長依存性

中出力アイソレータの波長依存性

 



Author - Masanori Nishiura

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