1x2と2x2のどちらの分岐カプラを選ぶか?

2021年 03月15日

  • 研究・技術
  • ファイバ部品

通常,光ファイバ分岐カプラ(fiber tap coupler)というと,1つのポートから入ってきた光を2つに分割する光ファイバデバイスを指します.分岐カプラを発注するために,仕様を選択していくと,ポートを 1x2 にするか,2x2 にするか選択することになります.とりあえず,2x2タイプを選んでおけば間違いないかと思います.というのも,2x2 タイプは双方向で使うことができ,1x2タイプは一方向でしか光を分割できないからです(当然ですが).

 

■1x2で十分なのに2x2カプラを使う利点

光ファイバ増幅器において,1:99カプラを用いてモニタリングを行うとします.通常は,順方向のモニタリングで十分ですが,逆方向のモニタリングをすることで 希土類添加ファイバからのBackward ASEをモニタリングでき,光ファイバ増幅器の最適化・数値解析の妥当性の検証に役立ちます.また,2x2カプラを選んでおけば,ファイバ端面焼けなどで1ポートをダメにしたとしても,ファイバ入出力を入れ替えれば使うことができます.また,非常に小さなことですが,1x2ファイバカプラを逆方向に伝搬する光は光ファイバカプラ内で散乱され,外に出ています.またこの時,一部が反射されてしまいます(といっても,数10mW入力して,数10 nW程度観測される程度です).

1x2カプラ

1x2カプラ

 

■1x2で十分なのに2x2カプラを使う欠点

2x2カプラを一方向で使う場合の注意点は,ファイバポートを取り違えないことと,不要なポートからの出力をケア(終端)する必要がある点です.

 

Author - Masanori Nishiura

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