LDドライバにLDを取り付ける前後にやること
2021年 03月16日
- 研究・技術
- レーザー
LDをLDドライバにセットする時間はいつも緊張します.絶対に静電気でLDを壊さないよう,服装に気を付けたうえで,手に静電気防止手袋と静電気除去リストバンドを取り付け,足には静電気帯電防止サンダルを履いて作業をします.さらに,LDのファイバブーツをピンセットを使って持ち上げて,LD自体は手で触らないようにします(上記のように対策をしていたとしても!).LDをLDドライバに搭載する前に,Dのデータシートを見たうえで,下記の確認&設定をします.
LDをLDドライバに搭載する前にやること
- 1) ピンアサインの確認(Type I or Type II)
- 2) 駆動電流の上限電流を設定
- 3) TECの設定温度範囲を設定
- 4) TEC電流の上限電流を設定
- 5) 駆動電流が設定電流に到達するまでの時間を設定 > 5 秒
LDをLDドライバに搭載する際の注意事項としては,LDパッケージがGNDの場合は,LDパッケージを置く場所に放熱用シリコーンオイルコンパウンドを小さく付けます.LDパッケージがGNDではない場合は,電気絶縁性のある放熱シートを使います.また,ピンをソケットに固定する前にネジを用いてLD筐体を固定することも重要です.先にLD筐体を固定しないと,ピンをソケットに固定するときに誤ってピンを折る可能性があります.なお,ソケットを倒してピンを固定する段階では,くれぐれもピンを折らないよう,ピンがしっかりと目的の場所に収まっていることを確認します.
LDをLDドライバに搭載した後にやること
これらを設定した後,ようやく,LDをONにします.まず,LDの 駆動電流 v.s. 出力特性を測定(I-L特性)します.この時,ついでにLDにかかる電圧値も測定します.LDが壊れた場合,電圧時がおかしな値を示すことがあるためです.I-L特性を取得する際,発振閾値付近を3点ほど測定します(発振閾値で発振するととりあえずほっとします).
14pin butterfly LDは,LD筐体内部にPDが内蔵されているため,LDドライバによっては,設定電流時の出力を示すことができます(初回に 3点程度,電流と光出力の関係を測定する必要があります).私の場合,LD直後の出力はそれほど重要ではないと考えているため(システムに直接入力される光パワーが重要),そのような校正はしていません.
Author - Masanori Nishiura