CWモード同期とPulsation

2021年 03月29日

  • 研究・技術
  • ファイバレーザ

モード同期レーザーにおいて継続的なパルス発振に成功したとします.この時,そのパルス状態がQ-switched mode-lockingなのか,CW mode-locking ( continuous wave mode-locking ) なのか,それともMultiple mode-lockingなのかはオシロスコープを連続掃引で見ていても分かります.しかし,オシロスコープを連続掃引していただけではよく分からないパルスの状態があります.それが Pulsation という状態です.

モード同期ファイバレーザーの実験時に,励起LD強度を上げていくことで,パルス状態がQ-switched mode-locking → CW mode-locking → Multiple pulses mode-lockingと遷移するのを観察できることがあります.この時,注意深く観察すると CW mode-locking と Multiple pulses mode-locking の間に,Pulsation という状態が現れる場合があります.下図は,CW mode-locking と Pulsation の状態を写真に撮ったものです(オシロスコープの掃引をストップした後).

 

CWモード同期とPulsation

CWモード同期とPulsation

 

この写真を撮ったとき,CW mode-lockingの状態から,励起LDの出力を数10mW程度を増加させると Pulsation になりました(オシロが示す電圧の最大値もPulsationの方が少し大きいですね).Pulsation の状態は,オシロスコープのサンプリング周期と周波数帯域が適切ではない場合にも見られるようです.パルス状態が CW mode-lockingなのか,Pulsationなのかを判別するためには,RFスペクトラムを測定することで分かると思います.

下記の論文は,Tmファイバレーザの論文ですが,Pulsation の状態を示しています.

DOI: 10.1109/JSTQE.2017.2657489

 

Author - Masanori Nishiura

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