光ファイバコネクタ断面の破壊
2021年 02月05日
- 研究・技術
- ファイバ
ファイバレーザーや光ファイバ増幅器を使っている or 造っていると,いつの間にか光ファイバ端面が損傷していることがあります.
光ファイバの取扱いに慣れている方は,コネクタクリーナーを用いて光ファイバ端面を丹念に拭いて使っているので,光ファイバ端面が「ゴミで焼ける」経験は少ないと思います.私もファイバ端面の状態には結構気を付けていて,アダプタ内部やコネクタのダストキャップにもゴミが入っているという前提で考えているので,今のところ,ファイバ端面をゴミで焼いたことはありません.
しかし,Qスイッチでファイバ端面を損傷させたことは沢山あります.光ファイバ増幅器の検証段階や,あえて発振器中に光ファイバコネクタ(もちろんAngled PCコネクタ)を用いた場合,Qスイッチでコネクタをバンバン破壊します.Qスイッチで破壊したときは,ちょっとした傷と違い,結構奥深くまで損傷しています.下図は,正常なPANDAファイバのFC/APCコネクタ端(左)と,Qスイッチで損傷したFC/APCファイバコネクタ端(右)です.
Qスイッチで破壊してしまうと,もはやコアが視認できません.このようなファイバ端面になった場合は,光が透過しないばかりか,光の一部がファイバ端面で反射されてしまうのでたちが悪いです.そして,90%以上の確立で光の入力側のファイバコネクタだけでなく,出力側のファイバコネクタも壊れています.さらに,,他のアダプタを使っているところのファイバコネクタも損傷している場合があります.このようなファイバコネクタの破壊を見つけたら,全てのファイバコネクタ端面を調査することをお勧めします.さもないと,見逃した損傷が原因でまた損傷してしまいますよ.
Author - Masanori Nishiura